LPガスLPガスとは
LPガスとは「Liquefied Petroleum Gas(液化石油ガス)」の略称で、一般的に頭文字を取ってLPガスと呼ばれています。
LPガスは通常は気体ですが、圧力をかけたり冷却することによって液化させることができます。LPガスを液化させると、体積が気体時の約250分の1に縮小するので、大量のLPガスを効率よくご家庭まで供給することができます。
LPガスの特徴
CO2排出量が少ない
LPガスは、他の化石燃料に比べて、地球温暖化の原因となっているCO2の排出が少なく、環境にやさしいエネルギーです。また、ぜんそくなどの原因となる粒子状物質や、酸性雨の原因となっている硫黄酸化物(SOx)の排出もほとんどありません。
災害・非常時に強い
分散型エネルギー
LPガスは容器での運搬が容易であるため、他のライフラインに比べて、地震などの大災害下でもいち早く復旧することが可能です。また、避難所や被災者用仮設住宅での調理・給湯用などのエネルギーとして極めて有効です。
2011年3月11日東日本大震災、2016年4月14日熊本地震の際、本震や大きな余震の都度、LPガス世帯に対し安全点検の実施を余儀なくされましたが、順次速やかに復旧されました。他のライフラインが断たれたあとでも、避難所ではLPガスが炊き出し用や仮設の風呂用熱源として、また仮設住宅の燃料として使用できる分散型エネルギーとして評価されました。
LPガスと都市ガスの違い
都市ガスの主成分がメタンであるのに対し、LPガスのほとんどがプロパンです。そのため、家庭用のLPガスは、一般的に「プロパンガス」とも言われています。
供給形態の違い
プロパンは液化して、容器に充填してどこにでも運ぶことができるため、全国の地域でお使いいただくことができます(分散型供給)。一方、都市ガスは常温状態で液化させることができないため、主として導管によって気体の状態で供給しています(系統供給)。これにより、都市ガスの供給エリアは導管が設置可能な都市部等に限定されますが(全国土の約5%)、LPガスは全国どこにでも供給することができます。
プロパンガスは各家庭に戸別に容器を設置し供給しています。このため、災害後の点検で異常がないことが確認できれば、すぐに使用することが可能です。都市ガスは、地下に埋設された導管にて供給しているため、災害時に損傷など異常があった場合には点検に時間を要します。
ガス漏れ検知器の設置位置の違い
プロパンガスは空気よりも重いため、ガス漏れ検知器は床付近に付いています。ご家庭で使用する一般的な都市ガス(13A)は空気よりも軽いため、ガス漏れ検知器が天井付近に付いています。
LPガスの用途
LPガスは硫黄分が少ないことから、家庭用以外に「低公害燃料」として工業用にも広く消費されています。LPガスが工業用として消費される理由として、下記のような特性があげられます。
- 硫黄分が少ない
- 燃焼性がよい
- 燃焼性非ガスが清浄
- 燃焼調節が容易(温度コントロールが容易)
- 高カロリー
- 雰囲気調整ができる
- 着臭している
LPガスは、飲食店や旅館、病院や学校などの大規模な業務用施設において、重要なエネルギー源として幅広く利用されており、厨房用、給湯用のほかにGHP(ガスヒートポンプ)を利用した空調用にも使われています。
また、産業用には、主に金属、非鉄金属加工の際の過熱用や、さまざまな部材や食品の乾燥用に使われています。農業用としては、栽培施設での炭酸ガス供給や加温用の他、やや珍しいところでは鳥獣被害の防止用にも使われています。
さらに、「持ち運びが容易」「熱量が高い」「排気がクリーン」などのLPガスの特長を活かして、オリンピックの聖火、熱気球、ガス灯など、その可能性はさらに広がっています。
LPガスについての詳しい情報は、日本LPガス協会サイトでご紹介しています。